「仲林くーん。朝だよ、朝ー」

なかなか目を覚さない仲林くんのそばで、今朝も何度か起きるように声をかける。

昨日は洗濯物ほったらかしで私よりも先に寝たくせに。

ぐーすか、ぐーすか、よく寝る人だ。


「だから、いい加減起きなさいって!」

仕方なく、力いっぱいブランケットから引き剥がすという昨日同様の強硬手段をとると、ごろんと転がった仲林くんの頭が床にぶつかった。


「あ……」

ゴツンと響いた音から想像するに、結構痛かったんじゃないかと思う。


大丈夫だったかな。

少し申し訳なく思いながら床に転がる仲林くんの様子を窺っていると、彼が小さく呻いて目を開けた。

そのまましばらく寝そべってぼんやり天井を見つめているから、打ちどころが悪かったのかも、と焦る。


「あ、の。仲林くん?」

恐る恐る名前を呼ぶと、声が聞こえてきたほうを探して仲林くんが視線をうろうろさせる。

そうしてようやく私と目が合うと、「落ちる夢見た」と、独り言みたいにつぶやいた。