次の日の朝、目を覚ますといつの間にか私は布団に入っていた。

フリフリヒラヒラな服もいつの間にか大きなTシャツに着替えさせられている。

身体はまだ小さいまま。

え、ちょっと待って。誰だ着替えさせた奴。


襖を開け居間の机を見るとメモ用紙とコンビニのおにぎりが2つ置かれていた。

メモ用紙には「朝ごはんにたべて!」と四竃の字で一言だけ書かれている。

夜中に帰って来て朝すぐに出て行ったようだ。

四竃も大変だ。昼間はバイト三昧、夜は定時制高校。


四竃にはまあそれなりに壮絶な過去がある。


四竃の父親は元暴力団の組長だった。

でも4年前、その暴力団は警察によって鎮圧され、息子である四竃は施設に保護された。

薬漬けの母親は今は刑務所の更正施設にいる。

父親は残念ながら獄中自殺をした。


四竃は生活費を稼ぐためにアルバイトをしている。

定時制の高校に通っているのは瞳子さんの薦めだ。

高校さえ出ておけば定職に就けるチャンスが多いからと。


それなのに私は瞳子さんのお金でやりくりしている。

なんとも情けない話だ。

しかも大学の費用まで出して貰っている。

私も早く自立出来るようにならないといけないのに、私はぶかぶかのTシャツ一枚でのんびり起きて何をしているんだか。