物音に目を開けるとスーツ姿の海璃がなるべく音を立てないように、キッチンで何かをしているのが見えた。
「おかえりなさい」
「ごめん。起こしたな」
私が声をかけると海璃は申し訳なさそうに、私の方へ近付いてきた。

ついソファでうたたねしてしまう私。

「うんん。もうこんな時間なんだ。」
「6時半」
「ごはんの支度するね」
私が体を起こそうとすると海璃は私の肩に手を置いて私を再びソファに横にさせた。
「休んでろ。俺やるから。」
「大丈夫だよ?」
「いいって。あっためたり冷蔵庫のやつ出すだけだろ?そのくらいやらせろ。」
「・・・ありがとう」
私は病気が治ってからも無理をしないように自分でも気を付けている。