私は海璃の住んでいるマンションに引っ越した。
荷物の少ない私には引っ越し業者は必要なくて、海璃ががんばってくれた。

元からよく泊まっていた海璃の部屋には今思えばたくさん私のものが置いたままになっていて、すぐにふたりで生活ができるようになっていた。

何もなかったキッチン用品も、付き合ってからこの8年の間に少しずつそろえて、今では十分に料理ができる。

ベッドも二人で眠るときに狭いからと3年前に海璃が新しくキングサイズのベッドを買ったばかりだ。

「休んでろ」
再会してから数日で引っ越し作業を終えた私たち。

海璃は私の体を気遣ってくれている。
「うん」

体力が落ちている私は一日の半分はベッドの上かソファの上で横になって過ごしている。