親睦会から一週間が経過し、美紅の足も完治。立ち仕事のため大事をとり休みを取っていた美紅だが、今日からようやく出勤となった。


「やっぱり美紅さんがいるとホッとします」


美紅が棚の洋服を整理していると、紀美加はその隣に立ちべつの洋服を手に取る。


「一週間もお休みもらっちゃってごめんね」
「いえいえ。ところで一慶さんって素敵ですね」
「えっ、あ、あぁうん」


いきなり一慶の名前が出てきたため口ごもる。紀美加は目をキラキラさせた。


「美紅さんがいなくなったときなんて、すごい必死に探し回って」
「……そうだったんだ」


よほど心配をかけたのだろうと思うと、一慶にもみんなにも申し訳なくなる。


「いいな、美紅さん、愛されてて」
「えぇっ!?」


紀美加のひと言には驚かされた。大きな声が静かな店内に響き、遠くで琴乃が目を瞬かせる。