関東予選ブロックは寄せ集めのメンバーにも関わらずたった2日間のみで行われる。

東京・山梨・栃木・千葉・埼玉・群馬・茨城・神奈川の8都道府県が関東ブロック代表の二席の座を賭けて争う。
その二席のみが九月の下旬に行われる全国代表チームと激突するわけで、多分勝ち上がってくるであろう愛知代表や絶対的王者福岡と戦えるのである。

しかも合宿は四日間のみ、明後日には連日試合が待っている為、とてもタイトなスケジュールになることは検討はついていた。


「監督は女子も大成のクドカンなのか?」

「クドカンって・・・。」
「大成は女子確か工藤監督だったろ?」

だからクドカンかよ・・・。と、
更衣室で着替える未茉の疑問に答えたのは隣にいた田島だった。

「あれ、つーか、男子の監督も工藤じゃなかったっけ?」
「あー、あの二人去年結婚したんだよ。」
「マジか?!そういや新婚だって知って新米がショック受けてたな!え、で女子は?」

「桜蘭の監督。やり手だよ。なんつったって無名校を東京ベスト3まで導いたんだから。ね?」
そう相づち求めるように後ろのロッカーで着替えるユリを見て振り向くと、
「あ、うん。」

「うわっ!!ビックリした!!ユリ来てたのっ!?存在感薄ッ!」

前園ユリの存在に全く気づかなかった未茉は驚いた反動でロッカーに体を打ち付けた。

「・・嬢ちゃんよ。」
ピキッ…と額の血管を浮かび上がらせながら未茉の服を掴み睨んだユリは、
「言っとくけど先輩だからね・・呼び捨てすんな!!敬語使え!敬えっ!!」
「なんでだよぉー翔真にはタメ語じゃんよぉっ!!」
「一緒にするな。」
「一緒じゃんっ!!タメなのにぃー!!ひいきだっ!!」