正直、ゴウの数値が減るのは見ていて辛かった。


どんな人の数値でも毎日増減を繰り返しているのだから当然のことなのだけれど、ゴウには常に高い数値を保っていてほしい。


好きだからこその願いだった。


「ねぇ、説明聞いてる?」


丸いテーブルを挟んで正面に座っているヤヨイに声をかけられて我に返った。


今日はかねてより計画していた勉強会当日だ。


ヤヨイの家にあたしと、他2人の生徒が集まっている。


みんなあたしより成績のいい子ばかりだ。


「ごめん。ちょっとぼーっとしてた」


そう返事をしてヤヨイの数値を確認する。


成績も良く、生活態度も良好。


その上運動神経も悪くないヤヨイの数値は今日も上位だ。