遊園地でなんだか変だった奏先輩だけど、次の日には何でもなかったかのように普通で…

変わった事といえば…

「そこ、29からオーボエ、フルートだけ。」

合奏練習中、奏先輩の指示が飛ぶ。

「木下、そこ、ファじゃなくてファ(シャープ)
美音、休んで、木下だけ。」

それを聞いてみんなが驚いたように私と奏先輩を交互に見比べる。


合奏中は私語禁止なのでよかったが、終わった途端、私は知恵に連行された。

「美音、どういうこと!?」

「な、何が?」

「奏先輩!
何で、美音のこと名前で呼んでるの?
しかも呼び捨てって、どういうこと?」

知恵は親友なだけあって、遠慮がない。

「それは私もよく分かんないけど…
森宮って呼びにくいからじゃないかなぁ。」

私は思ったことを答えるけど、知恵は納得できないようで…

「それだけなわけないでしょ。
美音、正直に言って。
奏先輩と何があった?」

「何がって言われても… 」

私が答えに困ってると、

「じゃ、土曜日、部活の後、遊びに行って
いい?」

と聞かれた。

「あ、土曜日はダメなの。
日曜ならいいよ。」

土曜日は奏先輩が来るもん。

「分かった。
じゃあ、日曜日、遊びに行くね。」

「うん。」


だけど…

知恵は引き下がってくれたけど、そうじゃない人もいて…