教会から出てきた、今世界一幸せなカップルがゆっくりと階段を降りながら、フラワーシャワーを左右から浴びている。

わぁー、きれい…

祝福の歓声に、新婦は目に涙を溜め、微笑みながら涙が流れるのを我慢している。

そんな新婦の目から落ちそうになっている涙を、新郎はポケットチーフですくい取り、瞼にキスしている姿が微笑ましく、参列者から揶揄いの言葉が飛び交う。

そして、中央階段で足を止め、ブーケトスが始まるらしく、階段の下では未婚者が今か今かと待ち構えているのだ。

もちろん私もその輪の中で、投げられる瞬間をドキドキと待っている。

ふわっとブーケが宙を舞い、私めがけて降りてくるので、手を伸ばし掴もうと待ち構えていたら、横からの体当たりに負けて、よろけたまま輪の中から追い出され、ブーケを取り損なってしまった。

それを目撃していた朝陽が、ぷっと笑いながら私の体を支えてくれる。

「相変わらずのドジっ子だな」

「もう、信じられない。私めがけて落ちてきてたのに、体当たりって酷くない⁈」

「それだけ、幸せを分けて欲しかったんだろ。俺が側にいるんだからブーケが取れないぐらいで目くじら立てるなよ」

照れもせずに、嬉しい言葉をくれる朝陽を見つめ、頬を赤らめた。