ケータイ小説 野いちご

浅葱色の約束。─特別編─





そんな、翌日の事だった───。


近藤さんが巡察に出た後、彼の部屋の掃除をしていた時。

机に置かれたその手紙は「俺がもし忘れてしまったら言ってくれ」と昨夜言われていたものだった。

とても大事な手紙らしく。

今日の巡察のついでに届けなければいけないものだと、そう言っていた。



「…と、届けなきゃ…だよね…?」



そんな独り言を呟いて私は草履を履いた。

私はあの人の小姓だ。
身の回りの世話を任される立場だ。

もしこれが大事なお手紙だとして、それを忘れたことで新撰組の名が下がってしまったら。


───それは私の責任でもある。


まだ外は明るいし、
すぐに戻れば土方さんにも怒られないはず。

勝手な外出はするなと言われているけれど。
……これは、勝手な外出では無い。



「近藤さん…!」

「梓!?どうしたんだこんな所まで来て!」




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