ケータイ小説 野いちご

浅葱色の約束。─特別編─





「…要らない…」



土方さんはお粥を持ってきてくれたけれど、そんなものにも首を振る。

外は雨。
数日続くこの雨は戦を休止させるものだった。


私の心と一緒に泣いてくれているみたい。


それでも土方さんは去ろうとはしない。
そんな私をじっと見つめている。



「だって食べたって、朔太郎は戻って来ない……、」



戻ってくるなら食べるよ。
たくさん食べる。

またあの笑顔が見れるなら何だってする。
時間が戻ったなら私は必ず止める。

…私の言った通りだったのに。
嫌な予感したのに。



「銃弾が、脇腹に2発だって、…っ、
朔太郎、池田屋の時あんなに泣いてたのに、…怖かったに決まってるのに…っ、」



ポロポロとまた大粒の雨だ。

痛かった…?
辛かった…?
怖かった…?

そう考えれば考えるほど、呼吸が出来なくなって。




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