ケータイ小説 野いちご

浅葱色の約束。─特別編─





そんな沖田さんの発言に土方さんは眉を寄せた。



「俺も無理だ。他人の髪切るなんざやった事ねぇ」

「ええ、じゃあ平助に変に切られちゃってもいいんですか?」

「そんなに言うならてめぇがやってやりゃいいだろ総司」



にこやかな笑みが怖い…。

沖田さんは私を見つめ、笑う。
「確かにそうですね」
と、言って。

そのあと直ぐに準備に取りかかった。


───中庭に鯉が数匹泳いでいる池がある。


よく1人で眺めるのが好きだった。

藤堂さんに後ろから押されそうになってはケラケラと笑われたりもする毎日。

そんな景色を真っ直ぐに見つめ、縁側に座る私の前にはしゃがむように見上げる沖田さんが居る。

その後ろには近藤さん、
そして藤堂さん、
そしてそして土方さんまでも。


…なんか、見られると落ち着かない。




< 12/ 280 >