ケータイ小説 野いちご

浅葱色の約束。─特別編─





思わず私も着物の帯を結び直した。



「久しぶりやなぁ梓」

「うん」

「でもお前、俺に1回も勝ったことあらへんやん」

「いつの話してるの朔太郎。あれからもう2年経つよ」



床は布団があるし転んでも痛くない。

それに足場が柔らかいから上手く使えば勝てるかもしれないと。

私もこの空気感を存分に楽しむことにした。
この場所にいると、少し男の子の楽しさが分かるような感じがする。



「何や梓。余裕かましてるやん」

「朔太郎こそ、さっきまで一緒に寝てって言ってたのに」

「ほー。手加減せぇへんからな」

「うん。挑むところだ」



藤堂さんは楽しそうに片手を挙げる。

私達の相撲のやり方は少し普通とは違った。
最初、わりとお互いに距離をとる。

そして合図と共に全力疾走をして近付いて。




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