ケータイ小説 野いちご

私に恋する可能性

番外編
その2

水菜side


「茂木」


下駄箱で見るからに落胆してる人物に声をかける


やっぱりダメだったか


私の恋人兼幼馴染みの吉澤祐飛が

なぜか茂木蓮斗に謎の報告をしたがために

物語も終盤だというのにダメ元でひなたに告りに行った


まあ結果は当然敗退と。


あのひなたと多岐だもの。間に入るなんて難しいに決まってる


多岐はひなたにしか心開いてないし

ひなたは多岐しか見えてないし


「狭山、吉澤は?」

「部活」

「そー」


枯れてんなぁ


「…フラれた」

「だろうね」

「言うの遅かったのかな」


いやもう初めから無理だったと思うけど

それは言わないでおこう


「本気だったのにな」


…なんだか


「変わったね、茂木」


「は?」


ひなたと出会ってから


「一丁前に恋して、ひたむきになってもがくなんて少し前の茂木だったら想像もできなかったよ」


弱サイコパスのこいつがあそこまで本気になれるなんて

…ひなたってすごいな

さすが私の親友


「んー…俺もそう思うよ」


ややっ、素直ではないか


「でも俺だけじゃないよな。多岐だって気持ち悪いくらい変わってるよ」


多岐?

…のことはよく知らないけど


確かに…

前はチャラチャラしてて、近づきづらいヤバい人ってだけのイメージだったけど

ひなたの話聞いてると、ただの不器用な思春期男子かって思えちゃったしな


これもあの子の影響かね


「前までの多岐はチャラついててイキってて俺の大嫌いな人間だったけど…
今は…別にいうほど嫌いではない…かな」


傷心のせいかな

聞いてもないことめっちゃ言ってくるけど


こんな発言、後で自分の首絞めるぞ



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