ケータイ小説 野いちご

拝啓、いつか声をくれた君へ

FIRST
SIDE L

「御栗さんも一緒に!」

いいよ、私は空気を悪くするだけだ。

「ねえ、御栗さんは…ほら…」
「え、あ、そか…ごめんねー…」

ほら、気を遣わせた。
お願いだから、そんな顔しないで。
申し訳なくなる。

私はいたたまれなくなって、席をたった。
今日は、始業式で、クラスの中心人物になるであろう女の子が親睦会の話をしていた。

「てか、御栗さんまじなんだね」
「あーね、声出ないってね」
「じゃあなんで普通の高校来れてんのっつーの」

キャハハ、と笑う彼女達をちらっと見ると、そのうち1人が気まずそうに「そういえばさ、」と話題を変えた。

私は自分のメモ帳に「ごめんなさい」とだけ書いて彼女達に見せた。そうして頭を下げて教室を出る。

「え、なにあの人」
「もー、いいでしょ。ほっとこ?それよりこれ見てよー」
「何それ?」
「歌い手LANO(ラノ)!今めっちゃ人気なの!」

彼女達の声を後に、足早に校門に向かった。

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