ケータイ小説 野いちご

世界で一番、きみが「好き」

第一章
片想い



* * *


念願の高校に入学することができた私、桜井柚月(さくらいゆずき)は、朝からるんるん気分で身支度をする。


「柚月、和眞(かずま)くん迎えに来たわよ〜」

お母さんの大きな声が聞こえて、それに「はーい」と返事をすると、最終チェックを済ませて玄関へ向かった。


「あっ、和くんおはよう!」

ぱあっと笑顔を見せて手を振ると「…朝っぱらから元気だな。」と鼻で笑った和くん。

真城和眞(ましろかずま)。私より一つ上の幼なじみで、私の学校の先輩。

黒髪で切れ長の瞳にスッとした鼻筋と、綺麗な形をした唇に、スラリとした高身長。

シャツのボタンを一つ外し、袖を巻くっていて、そこから伸びる手が細いのに男の子だと感じさせる。

チャームポイントは目の下にある泣きぼくろ。それが和くんの色っぽさを増している。

……とにかく、かっこいいんです。


「いつもごめんね〜?」

お母さんが申し訳なさそうに笑うと

「いえ。学校行くついでなんで」

と、和くんは言う。

けれど実は和くん、大の面倒くさがり。それなのに入学してから毎日迎えに来てくれるの。

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