雅暉さんにフラれて四日経った。


 久しぶりのバイトの日だ。


 この日が来るのがずっと怖かった。


 楽しいことだけを考えようと思って、毎日好きなことをした。


 好きな映画を見たり、本を読んだり、メイクを研究したり、陽十香と大和くんと電話したり。


 またよりみちにも行った。


 お母さんと料理もした。


 それでもふとした時に急に思い出して息が詰まった。


 そんな思いがこみ上げてしまった時は、なるべく他に注意を逸らして誤魔化した。


 家の中にいる時はそれで良かったけど、バイトになるともう逃げ場はない。


 今日のシフトは雅暉さんとは一時間しかかぶっていない。


 ラストは空さんと二人だった。