よく考えてみると、自分はとんでもないことをしていると自覚した。


 泣き疲れて寝てしまっていたから、大和くんの電話で起きるまで携帯を見ていなかった。


 陽十香から『救世主送るから』とLINEが来ていたことにやっと気付いてお礼のLINEを入れておいた。


 本当に大和くんは私の救世主だ。


 私は大和くんを自分の部屋に招き入れた。


 元々三人で住んでいた家に今は二人で住んでいるし、私は一人っ子なので大きい部屋を贅沢に使わせて貰っている。


 部屋にはシングルベッドと学習机、タンスが置いてあるが、もう一人分の布団を敷いても十分なほどスペースはある。


「苗の匂いがする」


 部屋に入ってすぐ大和くんがそう言った。


 自分の部屋にお母さん以外が入るのは初めてだったので緊張する。


「は、恥ずかしいからあんまり見ないでね・・・。あ、どこでも座ってね」