6月も半ばになり中間テストがやって来ようとしている。


白坂くんの彼女(仮)になって一週間が過ぎた。

隙あらば白坂くんはすぐに私のところに来る。



「うまそ。俺にも食わせてよ」



私が料理好きのご近所さん──桜子(さくらこ)さんといって、お母さんのお喋り仲間である人から頂いたおかずを、こうやって待ち望んでいるし。



「……自分でどーぞ!」


「水瀬が食わせてくんないの? じゃあいらない」


「……」


……と、言ってきて困らせられることも多々ある。



「きゃっ……!? なにするの、白坂くん!」



机に突っ伏している白坂くんの席の横を通ると、スカートの裾を引っ張ってきたり。



「なにって、水瀬に触りたすぎるから触ったの」


悪い?と……。


そんなグイグイきてる感じの白坂くんに押されて、私の心臓は休まることを知らない。


最近じゃ「付き合ってるの!?」と噂が流れ、パンツが見えそうなくらいスカートの短い先輩に睨まれることもあった。



───そしてこの日、私はついに白坂くんの正体を知ることになる。