中間テストが数日後にある。
明日は白坂くんが私の勉強を教えてくれることになった。
鷹村くんから聞いた話を思い返して、用心してはいるけれど、今のところ追っ手の動きはない。
白坂くんは帰り道、誰かにつけられてる気がすると言っていたけど、心配はいらないと言われた。
逃走の名人だって聞いたけど、そう言われても心配になるじゃん……。
危ないでしょ。
何より白坂くんには一刻も早く、逃亡者というものから解放されてほしいって思うんだもん。
「小夏ー! お風呂入っちゃいなさい!」
「はーい!」
ここ最近ガラッと変わった脇役の私の日常だけど、もちろん女子力アップについても忘れてはいけない。
宿泊学習も近いわけだし、このままだとまた若宮さんに小バカにされてしまう可能性大だ!
───“サラサラヘアは効果絶大だよぉ?”
「……」
お風呂を前に、若宮さんのお告げが降ってきた。
効果絶大……か。
個人差があります、なんてことないのかな。