その日の夜はあまり眠れなかった。

なかなか眠りにつくことができず、寝たとしてもすぐ目が覚めて、そのたびに時間を確認するの繰り返し。


遅刻しないように、アラームはちゃんと設定したかを何度も確かめる。

いっそのこと眠らずに起きておいたほうがいいのではないかと思ってしまうほどだった。


理由はただひとつ。
週末の今日、ついに橘くんとデートをする日がやってきたのだ。

緊張のあまり目が冴え、結局朝はアラームが鳴る時間より2時間も早くベッドから降りた。


約束の時間は10時。
映画を観てからご飯を食べる予定だ。