橘くんに勉強を教えてもらったことで、テスト結果が今までの中で一番良いものになった。
そのことを橘くんに伝えると、よく頑張ったねと褒めてくれて。
私の勉強を迷惑がらず、ていねいに教えてくれた彼に感謝していた。
うわさの真実も聞けて安心していたけれど、また別の問題が起こっていた。
「姫野さん、俺になにか言うことはない？」
「あの……私、なにかしましたか……？」
夏休みが1週間前に控えたある日の放課後。
先生に呼び出された私は、橘くんに『先に帰ってほしい』とメッセージを送っていたけれど。
教室に戻るとなぜか教室には橘くんが残っていたのである。
