デートの日以来、私はまともに橘くんを見れないでいた。
行き帰りは共にしているけれど、彼の目を一切見ることができず。
いつも彼との距離を人ひとり分ほど開けていた。
明らかに様子が変な私に対し、橘くんはいつもと変わらず優しくて穏やかな表情を浮かべていた。
きっと橘くんにとって、キスというものは付き合う上で当たり前なのだろう。
けれど私には慣れないもので、思い出しただけでも顔が熱くなる。
恋人のフリ……でも、キスってするものなのかな。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…