あたたかな朝。

太陽の眩しさに照らされて、ほどよい温もりに目を覚ます。



朝……。

まぶたを開けると、目の前には眠る清貴さんの顔があった。



き、清貴さん!?なぜ!?

驚き声が出そうになるのをこらえて、横になったまま辺りを見回す。

そこは私の部屋でも彼の部屋でもない。

そう、昨日来た清貴さんの旅館だ。



そういえば昨日は清貴さんと話をして、泣き疲れて少し眠ってしまった。

気づけば夜になっていて、せっかくだから今夜はここで過ごそうということになり、ご飯を食べたり映画を見たりしているうちに寝てしまったんだ。

そんな私をベッドまで運んでくれたのだろう。



見ると、その腕は私を抱きしめたまま。

包むような温もりが、やっぱりうれしい。

こみ上げる愛しさから、私ははだけた浴衣からのぞくその胸元に額を寄せた。



「……朝から積極的だな」

「え!?」



その声に驚き顔をあげると、目を覚ましていた清貴さんはこちらを見ていた。



お、起きていたんだ……恥ずかしい!

清貴さんは横になったまま時刻を確認する。

ベッドサイドのテーブルに置かれたスマートフォンに表示される時刻はまだ朝の6時前だった。



彼は少し眠そうにスマートフォンを置くと、そのままこちらへ手を伸ばし私の下瞼をそっと撫でた。