チュンチュン、チュンチュン。


嬉しそうに餌をつついて、雀は膝の上に乗った。

足の包帯もとれて、いつでも羽ばたけるのにチュン助はそうしようとはしない。



「わっ、くすぐったいよチュン助」



きっと君もこの場所が好きになっちゃったんだね。



「私も好きだよこの場所。…チュン助も?」


「チュンチュン!」



名前をつけたのは私。
チュンチュンと鳴くからチュン助。

そんな単純な名前でも雀は嬉しそう。



「あ!チュン助それはつついちゃ駄目だよ…!」



青いビー玉がコロコロと転がって、畳の上に落ちた。


「このビー玉は拾った」と、沖田さんに言ったけれどあれは嘘。

本当はジャージのポケットに初めから入っていたもの。


これは、未来のもの。


昔から空にかざしてキラキラと輝く青色を見るのが好きだった。