沖田side




そりゃあ驚かないと言ったら嘘になる。


今までずっと少年だと思っていた子が、女の子だったなんて。

それでもやっぱり気のせいなんじゃないかと今でも思ったけど。


───あれは気のせいでは無いだろう。



「…どうしよ」



あの時おぶってしまったのが確かにいけなかったかもしれない。

でもあのときはああするしかなくて。

だってあのままじゃ立てそうになかったし、雨だって酷かったから。


…言い訳かな、それは。

正直僕は意外にも動揺していた。



「お前って本当に女みたいだよなー。肌白いし顔もちっせーし」


「ち、違うよ」


「まぁだとしてもガキだから何にも思わねーけどさ」



全く、相変わらずこの男は誰に対しても距離が近い。

そんなあたふたと困っている梓を最近助けるのは僕の仕事になりつつあった。

お風呂だって平助なんかは簡単に誘ってしまうから。