★★★







「と、取り敢えず…座るか」



怒りのオーラを背負い、俺に詰めよってくる舞絵を宥めるつもりで。

取り敢えず、隅のテーブル席に案内する。

舞絵の好きなハーブティーでも頼んで。



「あら、私がラベンダーのハーブティーが好きだということを覚えておいて下さいましたか」

「………」



そう言って、舞絵はハーブティーを一口飲んでいるが。

俺は…顔を合わせられない。



まさか、このパーティーに前の学校の友人が乗り込んでくるとは思わなかった。



そして、開口一番。



『何故、私達に何も言わずに北桜学園を出ていったのですか…?』



…核心を突かれるとは。

昔と変わらず、いつも突然だな。

しかも、怒ってるようだ。

ヤバい…心拍数かなり上がってる。



「…舞絵、今日はわざわざ札幌から来てくれてありがとう…」



俺が取り敢えずの挨拶で口を開くと、カップを持ったままジロッと見つめられる。

うっ…ものすごい眼力だ。

ちょっとビビる。



何?

この罠にハメられた感。