「俺たちの歌が

 あなたの恋のお守りになりますように」



ステージの上。

祈りを込めて囁いた俺の言葉に、広場を埋め尽くすファンが叫びだした。



「みやび君、カッコいい!!」


「アミュレット、サイコー!!」



俺の名前は、高杉 (みやび)

週末になるとこのステージに立って、歌って踊り続けてきた。


小1からずっと。

日本を代表する、トップアイドルになる夢を叶えたくて。



高3になった今でも、その夢は変わらなくて。


アマチュアアイドル『アミュレット』


同じ夢を持つ3人と、地元のステージに立ち続けているけれど……

ステージの上から、いつも一人の女の子を探してしまう。


『今日こそは、俺の歌を聞きに来てくれるかもしれない!』と。



でも……


微かな期待も俺の切ない歌声とともに消えていって、ステージが終わるたびに思うんだ。



こんなに苦しい恋心。

もう捨て去りたい。