「局長、連れて来ました」



その声と共にどたどたと慌ただしい音を立てて



近藤さん、土方さん、沖田さん、




さらに山南さんや、佐之さん、藤堂さん、




原田さんや、山崎さんも走って来た。




「…ただ今戻りましたぁ」




いつもの調子でボクは言う。



けどみんなは違かったようで。



バシンッ!!



と、音が轟くと共に



ボクの頬に痛みが走った。




「馬鹿者!!」




そう叱り出したのは近藤さん。




ボクは身動き一つしなかった。




だってする意味ないでしょ?





「何故、話さなかった!?」




「…は?」




予想以外の言葉にボクは




素っ頓狂な声を出した。




「だから、何故俺たちに相談しなかったんだ!」




…んん?




待て待て待て。




ボクはてっきり人殺しのことで怒られるのかと。




え、違うの?




ボク何で怒られるの?




え、まって。




どーゆー事?




理解が追いつかないんだけど?




「えっと…相談しなかったことに
 怒ってるんですか?」




「それ以外に何がある!?」




えぇ……。



なんか思ってたんと違う…。




でも、さ



これって少し自惚れていいなら



ボク、心配されてるんだよね。



…現代だとボクは…



ただの、殺人鬼だから…



誰も、心配、なんて…




「うっ…ひうっ…」



ボクの瞳からポロポロと



涙が溢れ出て来た。



そんなことしちゃダメじゃん近藤さん!!



そんなことされたら、



そんなことされたら!!



みんなと、一緒にいたいって



思っちゃうでしょ…!?



ダメなんだよ



ボクといたら、



みんなみんな…



いなくなっちゃうんだよ…!!



元々、新撰組は悲しい末路だけど



ボクは、ボクは…!!



歴史を…変えたい!!



だから、その前に、


みんなを傷つけたくないんだよ!!



そんな事を思っていたら


涙が溢れ出て。


ボクは初めて


人を信用することを知った。