放課後。
急いで教室を出ると、廊下で待っていてくれた湊先輩を見つける。
「お待たせしてすみませんっ……」
「全然待ってないから平気。帰ろ」
「はいっ!」
2人で並んで、廊下を歩く。
相変わらず周りの生徒の視線は気になるけど、もう慣れつつあった。
今はテスト1週間前で、部活と委員会活動の免除期間。
こんな明るいうちから湊先輩と帰れるのは珍しくて、変な感じがする。
そういえば、湊先輩っていつ生徒会の仕事をしているんだろう?
今は免除中だからないだろうけど……。
「湊先輩、生徒会の集まりはいつあるんですか?」
「基本朝。仕事も全部朝してる」
気になっていることを聞くと、すぐに返事が返ってきた。
「とはいえ、部活の朝練あるし……。会議のときだけは朝練休んで出てるけど」
「大変ですね……」
「全然。でも、テスト期間は部活も生徒会もないし、毎日莉子と帰れて嬉しい」
そう言って、爽やかな笑顔を浮かべる湊先輩に、胸がキュンッと高鳴る。