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吉良君のタイムを計って、一緒に帰ったあの日から。

特に何もなく6月が終わろうとしていた。

「いづー!お昼、郁弥もいるけどいい?」

おぉ…なんか逆に申し訳ないな。

「そういうことなら私は大丈夫。
二人で食べてきなよ。」

付き合ってるんだから、二人で食べててもおかしくないのだ。

「ううん!向こうも一人連れてくるって言ってるし、いづとの時間も私は欲しいから!」



なんて可愛い子なんだ。
口角が意識しなくても上がってしまうではないか。

「…そういうことなら、遠慮なく。」

「やった!それじゃあ中庭にLet's Go!」

無駄に発音いいな、おい。

…中庭についたはいいけれど。

まさか上田君が連れてきた人が吉良君とは思わなかった。
いやでも、幼なじみだしおかしくないか。

「郁弥!お待たせ。
連れてきたのって吉良君だったんだね。」

「うん、瑠璃が連れてきたの、伊月ちゃんだったんだね。予想はついてたけど。」

そうにこやかに会話する二人。
なんともほんわかしている。

「もちろん!いづ以外にいないもん」

嬉しいこといってくれるよね、ほんと。

「伊月ちゃん。瑠璃ったら伊月ちゃんの話ばっかなんだよ?こっちが妬けるくらいに。」

…上田君も惚気ですか?

「瑠璃、恥ずかしいからやめてね。
上田君、瑠璃ったら上田君の話ずっとしてるんだよ。
だから、今以上に大事にしてね?」

すでに彼が瑠璃を大事にしていることは知っている。
だからこその、今以上。
傷つけたら許さない、と。
まぁ上田君に限ってそんなことないと思うけど。

「ふふ。もちろん、今以上にあまやかしてあげる。ね、瑠璃?」

「へ!?」

真っ赤になって慌てる瑠璃は可愛い。