私は恭に支えられて神永さんの運転する車に乗り込んだ。
神永さんが薬を受け取りに行ってくれた。

車の中でも体勢を自分で維持することが難しくて、もうろうとする意識の中、恭に寄りかかり目を閉じていた。

「大丈夫?」
運転席から神永さんが声をかけてくれる。
私は小さく頷いた。

神永さんの住むというマンションは想像以上の大きさで、見上げると首が痛くなるくらいの高層マンションだった。本当に私はここで神永さんと暮らしていたのだろうか・・・。

そんなことを思っていると、見上げた空がまぶしくて、クラっと私の足元が不安定になった。

「鈴」
一度目を閉じたあとにもう一度目を開けると、そこには私の体を支えてくれる恭と神永さんがいた。
「ごめん」
神永さんがすっと手をはなす。