ケータイ小説 野いちご

ねえ、知ってる?【上】

① 出会いと始まり
「初めての友達」

 


 春、それは出会いと別れの季節。


 吹く風が暖かくなり、周りが新しい生活へのワクワクで浮かれ始める頃、私、新田苗(ニッタ ナエ)も念願の大学生になる。


 四月五日、待ちに待ったこの日。


 私は、この日のために買ってもらった新品のスーツに身を包む。


 鏡に映るスーツを着た自分は、なんだか知らない人みたい。


「苗、入学おめでとう」


「ありがとう、お母さん」


「式には行けないけど、ごめんね」


「やめてよ、もう大学生だよ? 一人で行けるよ」


 お母さんはとても嬉しそうな顔をしていた。


 お父さんは私が小さい頃に交通事故で他界してしまい、お母さんは一人で私をここまで育ててくれたし、大学まで行かせてくれた。


 広告会社に勤務しているお母さんは、よくわからないけどいわゆるキャリアウーマンらしい。



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