悠里さんのお家でお世話になり始めてから、1ヶ月が経った。
最初はどうなることかと思ったけど、万里くんのおかげで、何事もなく毎日を過ごしている。
いつものように朝ごはんを作って、みんなで食べる。
……よし。
支度が終わり、荷物を持ってリビングに行く。
「万里はまた寝てるのか? ほんとにあいつは……遅刻癖さえ直ればなぁ……」
悠里さんの言葉に、苦笑いを浮かべた。
万里くんは、本人が言っていたとおり相当朝に弱いみたいだ。
朝ごはんの時間に起きてきてくれるけど、ごはんを食べたらまた二度寝している。
そろそろ起こしに行かなきゃっ……。
「万里は意地でも起きないからね」
「そうそう。起こそうものなら殺人鬼のような目で睨まれるから~」
長男さんと三男さんの言葉に、私は首を傾げた。
睨まれる……?
そんなこと、一度もなかったけど……。
それに、万里くんは声をかけたらすぐに起きてくれる。
私は階段を上がって、万里くんの部屋に向かった。
ノックをしてから、中に入る。
そこには、ベッドの上ですやすやと眠る万里くんがいた。