そして、その答えが見つかった日のことは、はっきりと覚えている。

1年の後期に入って、俺は図書委員になった。

うちの学校では基本的に受付の学校司書がいるため、さほど実務はないし、それに……派手な役職は面倒だから。

顔合わせのような、最初の委員会議。行われる教室に着いて、一番後ろの席に座る。

……あ。

座っている後ろ姿だけでわかった。

あの子だ……。

心の中で、ガッツポーズをする。俺は、適当な理由で図書委員を選んだ過去の自分に感謝した。

同じ委員会なら、話す機会があるかもしれない。

もう彼女が気になってから半年くらい経っているのに、俺は未だに声をかけることができずにいた。

隣の席に座ればよかったな……。

後ろに座ったことを後悔しながら、移動しようかと悩んでいる間に会議が始まってしまった。

俺はこんなに決断力のない男だったのかと、彼女と出会ってから、常々思い知らされている気がする。



「それでは、今日の会議はここまでです」



その言葉と同時に、委員の人間たちがやっと終わったと言わんばかりに立ち上がり始める。


「遅刻した3人は残って手伝いしてください」

「えー!」

「最悪……!」



どうやら遅刻してきた女が3人いたらしく、そんな会話が耳をかすめる。