部屋に戻ってパジャマに着替え、もう一度宗ちゃんの家に向かう。
私が着替えてきた、もこもこでウサギの耳がついた長袖長ズボンのパジャマを見て、宗ちゃんは少し不満そうだったけど、「……及第点」と言って部屋に入れてくれた。
テレビを見たり、話をしたりしていると、時間が経つのはあっという間だった。
「先にベッドに入ってて」と言われ、お言葉に甘えてごろんと寝転ぶ。
今は1人暮らしでこの部屋のベッドは使う頻度が少ないからか、宗ちゃんの匂いというより、お日様の匂いがした。
机に向かってノートパソコンを開き、何か打ち込んでいる宗ちゃんの後ろ姿をじっと見つめる。
大学の宿題かな……? 何してるんだろう……?
ベッドから画面に映っている字を見ると、すごく難しそうな記号ばかりで、読むことを断念した。
「宗ちゃんは、大学でどんな勉強してるの?」
気になってそう聞くと、キーボードを打ちながら返事をしてくれる宗ちゃん。
「経済学が専門だけど、大学は他の分野の授業も取らないといけないから、いろんな勉強してるよ」
へ、へぇ……。
「大学って、難しそうだね……」