「なぁ、なんで今日も瀬名来てんの……?」
HRが終わり、1限目が始まる前。
ちらりと後ろを確認した池田くんがそう言った。
「日奈太、同室だろ? なんも知らねーの?」
「う、うん……」
何も知らないってことはないような気もするけど……。
でも、みんなが驚いてるってことは、いつもはきちんと来ていないってこと……?
「あのさ、れ……瀬名って、そんなに言うほど学校来てなかったっけ……?」
私の質問に、池田くんは眉間にしわを寄せた。
「は? お前が一番詳しいだろ? 来てねーってことはないけど、来ても遅刻だし、授業中は寝てるか外見てるかどっちかじゃん。なのに……」
そこまで言いかけて、後ろを気にしているようなジェスチャーをとる池田くん。
「今日さ、なんかずーっと俺らのほう睨んでない?」
……え?
「俺も思った……」
隣で聞いていた西原くんまでそう言い出して、私もちらりと嶺くんのほうを見る。