放課後を告げるチャイムが鳴り、一安心する。
ひとまず、今日1日を乗り切った……。
いろいろあったけど、バレずにすんでほっとする。
……って、瀬名さんにはバレちゃったけど……。
「あー! 終わったぁ!」
うんっと伸びをしている池田くんに、西原くんが苦笑いを浮かべている。
「俺らはこれからだろ」
「……あ」
「あ、じゃねーよ。補習のこと忘れられるなんて、お前はほんと呑気だな」
「うっせーな!! バカにしてんじゃねー!!」
怒り出す池田くんに、悠人くんと私で苦笑い。
西原くんの言うとおり、私たち3人は今から2時間行われる補習に行かなきゃいけない。
私が来た理由はこれだもんね……。
「じゃあな、白鷺」
教室を出て、西原くんが手を振る。
「うん。なんかいいな。俺も補習行こうかな」
「お前、それ嫌味だぞ」
「ふふっ、頑張ってね」
2人の会話を隣で聞きながら、私も笑顔を返した。