キーンコーンカーンコーン。
6限目の終わりを知らせるチャイムが校内に鳴り響き、教室には歓喜の声があがる。
「やっと終わったー!」や「帰れるー」と口々に言っているクラスメイト。
教卓に立つ先生には申し訳ないけれど、私も今日ばかりはため息をつかずにはいられなかった。
なんだか、すごく疲れた1日だった……。
朝、中崎くんに告白されてから、ずっとぐるぐる考えていた。
返事はいつでもいいって言ってくれたけど、あまり待たせてはいけないよね……はぁ……。
教室に戻ってきたあと、夏海ちゃんがずっとニヤニヤして問いただしてきたし、それに……。
「こ、こうくん、帰ろっか」
「ん? ……うん」
……あれからなぜか、こうくんはずっと元気がない。
いつもテンションは低いほうだけど、今は低すぎる。というより上の空って感じだ。
「……」
き、気まずい……っ。
2人で家までの道を歩いている途中。
いつもなら何かしらの会話があるのに、今日は無言でずっと重苦しい空気が流れていた。