「遼河さん...と、あれ?もしかしてキミって...?」


入学してから2ヶ月の月日がたち、梅雨入りを告げたニュースがつい最近流れていた。

でも、梅雨入りなんて嘘のように空は晴れ渡っていて。

「いい天気だな」なんて呑気に外を眺めていたわたしに、「いくよ!」と美玲に突然いわれてわけもわからずついていった先にいたのは有島先輩だった。


「治ってよかった」

わたしの膝をみてそう呟いた彼は、わたしのことを覚えててくれたみたい。


「あんな小さな傷、すぐ治りましたよ」

急すぎる展開なのに意外と会話できてる自分に少しだけ驚いている。


「あはは、舐めたの?」

「っ!」


それにそんなくだらないことを覚えている先輩にも。

でも、それは忘れていてほしかった。

恥ずかしい。