引き留める遥先輩の腕を振り払い、

車を降りて、
スタスタと歩道を速足で歩く。


「待てよ、凛花。俺の話を聞けよ!」


「待たないし、聞きたくない!
散々、ひとのこと振り回しておいて、

それで、親公認の相手がいるなんて、
さすがに、ひどすぎる!」


「なんで、
そんな傷ついた顔してるんだよ」


そりゃ、

私の心なんて
ボキボキに折れてるに決まってる!


「人のこと、たぶらかしておいて!」


「たぶらかすって、なんだよ!
いいから、俺の話を聞け!」


「聞きたくないっ!」


「聞け!」


抵抗むなしく、

激しく唇が重ねられて、
力がぬけてへたり込む。


こんな乱暴にキスされても、
全然嬉しくないっ!


涙ににじむ目でじっと、遥先輩を見上げると。