「明日は御堂くん来るかな?そろそろ目の保養がいないとっ」

「ねー。朝の放送も御堂くんじゃないとやる気でないしー」

「佑介に聞いたけど休んでる理由分かんないって言ってたよ?」

「風邪でも引いたのかな?あたし看病しに行ってお近づきになりたーい!」



それからしばらく経った日の、学校。

授業が終わり、あとは帰りのホームルームを待つだけ。すっかりだらけた空気のクラスで、御堂くんのファンの子たちが甲高い声で盛り上がっている。



――…御堂くんがずっと休んでいる。

あの日、放送室で話したのが最後の日だ。…ちゃんと会いたい人に会えたよ、と報告くらいはしたかったのだけど、それすら叶っていない。


そして



(…新着なしか…)



紫月さんにメッセージを送ってみても、返信が無い。

昨日は思い切って電話をしてみた。…期待とは裏腹に出ることはなかった。



紫月さんは次に会えるのは月末だと話していたから

…連絡も含めて、次に可能なのは月末だと言いたかったのかもしれない、と思った。


願いの短冊を思い出す。生きろ、と揃って口にする世界の彼らだ。…あまり詮索すべきではない。

会いたい、気になる。会えない、引かれたくない。そんな右往左往する感情を今日も飲み込むのだった。