プロローグ
 目の前には真っ青な空。白い雲。
 ああ、いい天気だー。
 ……じゃなくてっ!
 たしかに目の前には綺麗な空が広がっているけど、今の私はそんなことをのんきに言っている場合じゃない。
 だって、なんだかわかんないけど、すごいスピードで落下しているから。
 私は仰向けのまま、ずっと落ち続けている。もうね、ビューン、と。
 上に空が広がっているっていうことは、下には地面があるってことよね? 怖くて見られないけど。
 某天空の王女様みたいに素敵な守り石を持っているわけじゃないから、ふわふわ浮いてないし。
 たしか私は自分の部屋にいたはず。ごく普通の1Kのマンション、もちろん地に足ついています。なのに。
 なにがどうしてこうなった!?

 遡ること数時間前(たぶん)。
『結婚する時必要だから』『料理できるってポイント高いって!』