これが現実だと思い知らされたとき、私は泣きそうになった。

黒板には席替えのクジ番号が記されていて、みんなが一斉に移動を始める。


私は左から2列目の一番うしろの席。
そこまでは良かったというのに。

まさか窓側のとなりが悠くんだったなんて。


それだけじゃない。
さらに私の前の席は……。


「いやー、まさか渡辺さんと前後になるなんて。
これもなにかの縁かもね?」


キラキラと輝く明るめの茶髪が目立ち、にこにこと笑っている岸田くんだった。


「あ、えっと……よろしくお願いします」

一応頭を下げたけれど、正直不安でしかない。
早速クラスメイトの視線が私たちに集まっているのだ。