ケータイ小説 野いちご

無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

気まぐれな独占欲


十月下旬──。

本格的な寒さがやってきた。

秋もすっかり終わりだなぁ。

そんなことを思いながら、夕方からバイトだったので学校の最寄りから電車に乗る。

バイト先までは二駅なので、すぐだ。

この時間はわりと空いてるし、静かですごく快適。

電車を降りてホームに出てから人の波に乗って改札へ。

わたしがバイトをする理由、それは単なるお小遣い稼ぎ。

お父さんが小さいときに交通事故で亡くなってから、お母さんと大学生のお兄ちゃんとの三人でずっと一緒に暮らしている。

女手ひとつでわたしたちを育ててくれているお母さんに負担をかけないように、高校生になったらバイトして自分のお小遣いくらいは稼ごうと決めていた。

さーて、今日もバリバリ稼ぐぞ〜!

「うそ……」

あれって。

駅から出てすぐ前の交差点で信号待ちをしていると、すぐ前に高瀬がいることに気づいた。

振り返ったわけでもないのに、条件反射でとっさに人の後ろに隠れる。

そしてちらっとまた様子見。

どうやらひとりみたいだけど、この辺に住んでるのかな。

キョロキョロしてたら信号が青になって交差点を渡る。

わたしのバイト先は交差点の真ん前にあるファミレスだ。

何気なく高瀬から距離を取って歩いていると、高瀬はファミレスの横のタワーマンションの方へ。

まさか、そこに住んでんの?



< 75/ 229 >