「葉月くーーん!」



その日の朝、私は授業前に葉月くんを探していた。


あの一件以来、毎日のように女子のみんなから「国家を揺るがすあのイケメンは誰!?」と、迫られて、誤魔化すのに必死なのだ。


なのに……!!


葉月くんはふらっとどっかに姿を消す。

廊下にも階段にもどこにもいない。



「……ん?あっ!葉月くん!」



探していると、廊下の奥の方に葉月くんが歩いている姿を発見!


もう逃がさないから!


全速力で走った私だったけど、葉月くんがどっかの教室に入ってしまった。


あれ……?

今この資料室に入ってくのを見たのに。


私は躊躇いながらも、誰もいない資料室の中へと一歩踏み出した。



中には古い資料が詰まった棚がいくつか並んでいて、誰もいない。



───ピシャッ!



「え?」