兄に呼ばれた日 翔は 約束通り 奈緒と 指輪を買いに行った。


久しぶりに 二人で歩く 銀座の街。


明るい 未来の為の 買い物は、二人を笑顔にする。
 


高級アクセサリーブランドの前で 立ち止まる翔に、
 

「ちょっと贅沢過ぎない?」

と奈緒は 不安そうな顔をした。
 

「大丈夫。安いのもあるから。」

と翔が笑顔で言うと、
 

「店で 一番大きいダイヤ、買ってあげるって 言ったくせに。」

と奈緒はクスッと笑った。
 


普段も はめられるように 診察の 邪魔にならないデザインを選び 石のグレードをアップした セミオーダーの指輪。


仕上りまでは 3週間前後。


カードを切っている 翔を待ちながら 奈緒は ペンダントを見ている。