【三間 side】


月輝の姫だった彼女は、俺を苗字で呼んだ。
彼女が姫だった時は名前で呼んでくれていたのにもう他人行儀の呼び方だ。

当然だよな……俺が信じて疑わなかったものは全て偽物だった。

ずっと仲間だった彼女のことを、信じなかった。
花凛よりも陽愛の方が過ごした時間は長かったはずなのに、俺は……。


「そんなの…嘘よっ!お兄ちゃんは濡れ衣を……」

「は?濡れ衣を?そんな訳ないだろう?なぁ、詠佑。」

花凛が聞いたことのない声で叫ぶ。だけど、それに対して日向会の味方らしい男性が嘲笑うように詠佑さんに問いかけた。