…………。

なんだったんだろう、今の時間。

嵐が過ぎ去ったような感覚に陥っていた。

……続き読も。

……一度閉じた本を手にしてみたけど、なんか目がぼんやりしている……ああ、もう日が落ちるのか。そろそろ帰るか……。

そう思って腰を浮かしかけたけど。

………。心配だ。めちゃくちゃ心配だあの人。

あの見た目なら相当数ナンパとか危ない目に遭っていそうだけど、本人には全然危機感がないように見えた。

……今から追えば間に合うかもしれない。

でも俺が女子に絡んだとこ見られたら藤沢さんに悪影響しかない。

俺、一応教師からも不良認定されているから、藤沢さんまで悪印象を持たれてしまうかもしれない。

藤沢水都さんは俺でも評判くらいは知っていたけど、あの見た目なら納得という感じだった。

しかし中身はやばい。

いくらお母さんに憧れているからってヤンキーにまでなろうとするか? 

お父さんと幼馴染さん、大変だったろうな……。

……心配だ。