「夢じゃ、ないよね……?」


お風呂上がり、ソファに座って髪を乾かしながら何度も自分の頬をつまんだ。


『好きだよ』


千景くんも同じ気持ちでいてくれたのが夢みたいで、今でも全然信じられない。



──コンコン


「は、はいぃ!」


思わず声が上ずった。



「ふはっ」


「入るよ」と声がして、今一度自分の身だしなみをチェックする。

髪型よし、服装よしっ。

あとは心の準備だけっ。


部屋の内ドアが開く。


──ドキン